Amboyna's Color

常世の扉

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都会では夕陽などめったに眺めはしない。

いつの間にか昼が夜に替わっているという感じだ。

しかしここでは、その夕陽を眺めるために多くの人々が集まってくる。

気のあった仲間と、宿で知り合ったばかりの旅友と、

または独りきりの時間を愉しみに。

朽ちかけた桟橋や砂浜に腰掛けて皆が水平線を見つめている。




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陽が傾くにつれ、水面に揺れる金色の道が浮かび上ってくる。

海を隔てた大きな島影の上で、雲海のふちが細く燃え上がってゆく。

写真や映画の世界で「マジックアワー」と呼ばれる瞬間である。




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やがて沈みゆく最後の一筋に静かな歓声があがる頃、

どこか遠くで島の釣り人がルアーを投げた。




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その鋭い音が、

この海の彼方にあるという

常世の国の扉が閉じる音のように聞こえた。
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by amboina | 2010-04-27 01:22 | 八重山