Amboyna's Color

星が呟く夜

f0236145_2253736.jpg




夜になり、月のない島の空は壮麗な星の世界になる。

初めてこの島を訪れたとき、最後の晩にひとり星を眺めにいった。

夜の匂いが満ちる漆黒の闇の中、足が向くに任せて歩いた集落の外れ、

村に災いが入ることを防ぐ石積みの先端に腰を下ろし、

ぼんやりと夜空を見上げる。




f0236145_221114.jpg




街灯に眩んだ目が闇に慣れるにつれて

初めて見るその偉容は浮かび上がってきた。

八重山では天の川のことを「天じゃら」もしくは「ティンガーラ」と呼ぶ。

天に散る星粒という意味だが、見上げた視界いっぱいに広がるその姿は、

まさに言葉を奪い思考も奪うような星粒の大河だった。




f0236145_2235537.jpg




思えばこんなに見事な天の川など、今までに見た記憶がない。

視野の端から端まで、大きく弧を描いて広がる星の流れは

まさに天文雑誌で見かける銀河系そのものだ。

それは美しさを超えて、恐ろしいほどの迫力だった。




f0236145_2243935.jpg




手前の星と、その奥に広がる銀河の肢。

その全てが大気の揺らぎに合わせて一斉に瞬いていた。

知覚力を超えた壮大な遠近感に目眩がしてくる。




f0236145_2203546.jpg




遠くで牛が鳴いている。

森で呼び交すコノハズクの声も聞こえる。

何よりも夜が身悶えているような夏虫たちの大合唱に合わせて、

天空の星々が静かに呟きあっていた。




f0236145_2255316.jpg




暗がりから足下にすり寄ってきた猫達を撫でながら、

明日には戻っていく星も瞬かない地元の夜空を考えた。

空にではなく地上に偽りの星が瞬くせわしない大都会の姿を。

なぜだかその姿が、

天の星達よりもずっと遠くにあるように思えてならなかった。




f0236145_2274757.jpg









海に月影、地に蛍、空に天川とは良く言ったもので、
空気の澄んだ沖縄の夜は本当に素晴らしい世界です。
特に灯りの少ない離島で眺める天の川は圧巻で、一晩中見ていても飽きません。
もちろん晴れていて雲も少なく、月のない晩が最高です。
私の場合、夜はほとんど宿の庭で呑んだくれているのですが
それでも星空チェックは怠らず、深酒で目が霞まないように注意しています。
せっかくの天体ショウをアルコールで逃がしたらもったいないですものね。

もしも沖縄の離島に行かれる方がいるならば、
月齢表で新月の日を確認することをぜひおすすめします。

息を飲むような素晴らしい星空が待っていますよ。

f0236145_235249.jpg

[PR]
by amboina | 2010-05-17 02:40 | 八重山