Amboyna's Color

雨の島

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那覇空港から25分あまり。

青と黄色で縁取られた小さな双発機が降り立ったのは、

深い雲の谷間に沈んだ雨の島だった。




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低い鉛色の空から差し込む梅雨の明かりの下で、

山の緑は深く沈み、海は濃淡の細波を一面に散らしている。




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湿気を帯びた大気が身体にまとわりつき、

細かな汗と混じって腕を伝う。

深く息を吸えば溺れてしまうのではないかと思うほど、

島は底知れぬ水の気配に満ちていた。




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六角形の奇岩が敷き詰められた海辺でも、

数百年の樹齢を誇る松の根元にも、

その水の気配は静寂とともにひっそりと這い上がってくる。




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真夏を前にした沖縄の離島とは、およそかけ離れた世界だった。

ならばと、島を縦断する山道へ車を走らせる。

いくつかの港町を過ぎ、広いさとうきび畑の中を抜け、

より深い濃密な水の気配を求めて、

細く曲がりくねった道を雲の中へと駆け上って行く。




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頂上付近の展望台で車を停めると、遠くで雷鳴が轟いていた。

少しだけ降ろした窓から差し出した腕を大粒の雨が叩く。

振り返ってみると、辿ってきた峠の道は

いつしか雲とも霧とも見分けのつかない、

深い白の中に閉ざされ消えてゆくところだった。



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というわけで帰って参りました。
途中、一週間ほど地元に舞い戻りはしましたが、
6月~7月をまたぎ前後半合わせて半月以上という
過去最長の旅がついに終わりました。

最初の旅である久米島は、本文で紹介したとおりの雨続き。
晴天は5泊中わずか数時間だけという、雨男の本領をいかんなく発揮する旅でした。
雨以外にもいくつかのトラブルに見舞われてしまいましたが、
終わってみれば、とても充実していたという印象しか残っていません。
素敵な出逢いあり、新たな挑戦目標ありと、濃厚な旅に大満足です。

なにより沖縄の雨の魅力をたっぷりと堪能することができました。
次回は是非、晴れた久米島も見てみたいものです。
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by amboina | 2010-07-14 05:04 | 南方行脚