Amboyna's Color

頭の中の地図を歩く

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今日は何処を歩こうか。

墨のように濃い影を落とす宿の縁側に座り、

抜けるような青空を眺めながら、

頭の中で島の地図を広げた。




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宿は集落の東にあった。

宿を出て左に曲がれば島唯一の郵便局だ。

郵便局をさらに左に曲がれば、

細い畦道が遠い南の浜へと伸びている。




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宿を出て右へ歩いてゆけば、

島の集落の中心へ向かう迷路のような石垣と、

花の咲き乱れる白砂の街路が広がっていた。




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赤瓦が連なる家並みを抜け、

八重山そばが名物の食堂を通り過ぎ、

そのまま西の集落を越えて歩き続ければ、

古びた桟橋に続く木陰の回廊が見えてくるだろう。




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桟橋から岩場を伝って海岸沿いを歩けば、

南国の離島の夏を満喫する多くの観光客で溢れた

素晴らしい景観のビーチへと辿り着く。




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白い砂浜を静かに洗う波音。デイゴ並木を抜けていく風。

観光客の漕ぐ自転車の軋み。単調な水牛の足音。

そうして頭の中の地図をなぞっていくと、

此処にはない島の音達が耳の奥でざわざわと囁いた。




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影の向こうは煮え立った真夏の大気が揺らいでいる。

宿の庭に差し込む真夏の陽射しはゆっくりと、

しかし確実に涼しい木陰の領分を蝕みつづけている。

影と日向の境界線をまたいだ足の甲が焼けるように熱かった。




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さて、今日は何処を歩こうか。




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なんかカッコ良く書きましたが、
要はあまりに熱くて涼しい宿の縁側から出難いという話です。

一年間待ちに待ってこの季節を選んだくせに、
「暑い、暑過ぎる、なんでこんなに暑いんだ」
などとぶつぶつ呟きながら、冷たいお茶をがぶ飲みし、
恨めしげに灼熱の外界を睨みつけること数十分。
「わざわざ夏の写真を撮りにきたんだから」
と無理矢理自分を奮い立たせなければ腰があがりません。
情けないもんですね。

しかし頭の中で島を歩き回るのも一興です。
暑さにうだる事もないですし、なにより疲れません。
通い続けること6年、歩き回ること数百回。
頭の中にはレンタサイクルで配られる地図にも劣らない、
緻密な地図が出来上がっています。

もちろんそれで満足できるなら、
数ヶ月おきに島通いなんてしませんけれど…
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by amboina | 2010-08-11 15:19 | 八重山