Amboyna's Color

楽園の果てを往く

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国道58号線を北へと走る。

夏の名残りを含んだ熱い大気が水平線までを埋め尽くし、

その最果てを沸き上がる夏雲が縁取っていた。




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開け放った窓から吹き込む風は静かだった。

遥か彼方へと続いてゆく灯色のセンターラインの先には、

潮騒と競り合う濃い緑の香りだけが満ちている。




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北端の岬をめざそうという考えに、特に深い理由はなかった。

ただ普段は何事にも深い執着を持てない私のような人間が

何故か惹かれてやまないこの南の楽園の、

その最果てという場所を見てみたかっただけだ。




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幾つかの橋を越え、幾つもの隧道をくぐり、

そうして辿り着いた北端の岬は、

圧倒的な大海に迫り出した険しい岩肌と、

噎せ返るような原初の自然が織りなす

まさに大地の尽きる場所だった。




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紺碧の海はどこまでも蒼く深く澄み渡っている。

眼下の珊瑚礁を洗う波音が幾重もの唸りをこだまさせ、

強い陽射しが岩縁の下生えを焼いていた。




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岬の上を吹き渡ってゆく音のない強い風に晒されながら、

目の前に広がる雄大で容赦のない世界を見渡した。




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しかし心の片隅で密かに期待していた、

この南の世界に自分を惹きつける

なにか特別な「理由」のようなもののカタチを、

そこに見つけることはできなかった。




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沖縄本島を巡る旅の第4弾です。

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今回は去年の10月に訪れた沖縄本島の最北端である辺戸岬を紹介します。
那覇から車を走らせること約4時間ほど、森深いヤンバルのさらなる先端に突き出した、
野性味に溢れるなんともワイルドな名勝地です。

上の文章ではえらくカッコつけて書きましたが、
忙しい日程とあまりの遠さで当初は訪れる予定ではありませんでした。
本当の理由を白状すると、今帰仁近くで出逢った琉球不良中年ライダー軍団から
「辺戸岬の売店のソバは意外と上手い」
というなんとも魅惑的で胃袋的な情報を仕入れてしまったからなのです。
彼らはそのソバ一杯を食べるためだけに南部から何時間もバイクを駆ってきたそうで、
そこまでするのならさぞかしと、彼らの後を追って私も向かってみる事にしました。

ありついたソバの味はさておき、この辺戸岬。
有名な観光地なので広い駐車場や立派な施設もあったりはするのですが、
なんのタイミングでか私が訪れた時は、ほぼ無人。
見かけるのは琉球不良中年ライダー軍団とワケアリ一人旅の女性のみという寂しさ。
そこにきて見下ろす世界はいつ恐竜が姿を現しても不自然でないような
原始の絶景が広がって、気分はもう完全にジュラシックパークです。
いつもは波の荒いという海もこの日は見惚れるほど静かで美しく、
予期せぬ観光地貸し切り状態を堪能する事ができました。

八重山の海こそが最高と思っていた私の偏見を
見事に砕いてくれたこの辺戸岬。
是非もう一度訪ねてみたいものです。

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ソバは…
まぁ、それなりに普通に美味しかったです。
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by amboina | 2011-03-26 11:53 | 南方行脚