Amboyna's Color

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うりずんの島へ

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沖縄にいます。

雨を狙った今年初めての南方行脚は

狙いもむなしくとても良い天気に恵まれてしまいました。




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さすがに夜は肌寒いですが、

そこは南国、日中はTシャツ一枚でも汗ばむほどの陽気。

空は初夏の色、海はすでに真夏の色合いを帯びて光り輝いています。




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内地から着込んできた皮ジャンをレンタカーのトランクに放り込み、

恥ずかしくなるほど色の落ちた腕を窓から晒して島内を走ると、




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不思議なものです、自分の中の歪なチャンネルが

大きな音をたててガチャリと切り替わりました。




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単純ですが、しばらく手こずっていた

なんだかわからないワダカマリや、得体の知れないタテマエが

ゆっくりと自分の中の優先順位からこぼれ落ちてゆくのを感じます。




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得体の知れない他国の軍用機が舞い飛び、

素朴で都会のような洗練さとは無縁の島。




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しかしここには私が一番好きな匂いが満ちています。

そしてなによりも大きく仰ぎ見上げることができる空が広がっています。




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夕陽が迫る道の彼方に、

まだ生まれていない新鮮な出会いと、かけがえのない思い出の卵が

笑顔で待っていてくれることを祈って




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今年もカメラ片手の旅が始まります。




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by amboina | 2011-02-26 03:03

幻の馬

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それは突如として始まった。

鮮やかな紫の頭巾に白装束、袖をまとめた赤い襷。

腹には馬頭を括り付けた珍妙な出立ちの男たちが

賑やかな音楽と共に軽快に踊り舞っている。




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腹の馬頭に結んだ手綱を雄々しく掲げ、

馬に跨がった武士の姿を模して時に激しく、進んでは退き、

威声をあげては宙を舞う数十人の男たちの影。




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彼らが御する幻の馬の口がいなないた。

見えない後脚を蹴り上げ、

在るはずのない鬣が島の風に揺れる。




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男たちはその荒馬を自在に乗りこなし大地を跳ね、

雄々しい掛け声と共に意気揚々と喝采の中を進む。

嵐を押しのけ、陽射しを呼び込んだ庭の芸能が

やがて幕を下ろそうとしていた。




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その最後の瞬間を見守る天に祈りを返すように、

男衆の足はひときわ高く上がり

幻の馬とともに軽々と宙に舞い上がった。




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by amboina | 2011-02-07 18:25

夜の鼓動

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夜のしじまを縫うように細かな雨が舞っている。

夕刻から広がりはじめた分厚い雲が、

空から月と星の気配を覆い隠していた。




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更けきった夜の集落に、いつもは響いてくる楽の音はない。

かわりにさざめく人々の足音が砂道を慌ただしく通り過ぎてゆく。




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種子取祭本番を明日に控えた己丑の日の宵。

島の定められた各々の場所では仕込みと呼ばれる

奉納芸能の最終リハーサルが静かに始まろうとしていた。




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雨戸や襖などの仕切りを取り外された一軒の古民家。

煌煌と照らす明かりの下に衣を正した島人達の姿が浮ぶ。

居並ぶ村の長老や主事が取り巻くその座敷の中央では、

畳を踏みならし声を張り上げる人影が勇壮な口説や狂言を舞い踊っている。




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決して長くはない時間、演者は長い時間積み重ねてきた修練の粋を披露し、

長老達はそのひとつひとつを吟味し、細かな感想を付け加えてゆく。




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庭には落ち着きなく出番を待つ者、

仕込みを終えて安堵の一息をつく者、

互いの出来を批評し合い、

明日の不安を払うように次の仕込みに見入る者。




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そこに毎夜の練習で見かける笑顔や和やかさは微塵もない。

ただ言い知れぬ高揚感と緊張感だけが静かに座を満たしていた。




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艶やかに舞踊を舞う女性達の謡が、彼方の夜闇を抜けて響いてくる。

明日を呼ぶような、朗々としたその調べが消えてゆく空の向こう、

見上げた頬を濡らす細雨の先、手を伸ばせば届くほど間近に

まぎれもない祭りの足音は迫ってきていた。




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by amboina | 2010-11-06 16:49

瑠璃色の島

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地元から移住していった友人を訪ねて、

その小さな離島に初めて降り立ったのは、

2年前の秋の終わりのことだ。




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石垣島から高速船で40分あまり、

輝くような瑠璃色の海に囲まれた鳩間島は

私の予想を遥かに超えた南海の孤島だった。




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今でこそ人気ドラマのロケ地として有名になり訪れる人も増えたが、

それ以前は観光客もまばらな過疎の島だったという。

そのためか、手つかずの自然と澄み切った海は、他の八重山の島々では見ることのできない

昔ながらの素朴な美しさを保っていた。




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島の中央近く、「中森」と呼ばれる鬱蒼とした丘には、

島と島の近海を航行する船を導く純白の灯台が聳えている。

灯台の丘を越えた先は、二本の轍が消えて行く匂い立つような密林だ。




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その灯台を眺めながら島をぐるりと一周する外周道路も、

ひと巡りするのに一時間とはかからない。




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しかし、なにより圧倒されたのはその海の色だった。

遥かな水平線の彼方に向かって、

ありとあらゆる緑の明暗が、刷毛ではいたように果てしなく続いてゆく。




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それはまるで印象派の画家が描いた絵画のようでもあり、

海神が機織った瑠璃色の王衣のように輝いても見えた。




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by amboina | 2010-06-04 14:10