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宮古島の残像

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馬鹿の一つ覚えのように八重山へ通いつめていた私にとって、

宮古島とは羽田行きの直行便が給油に訪れる中継地であり、

三年前に台風で足止めされたという苦い思い出が残る島でしかなかった。




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島に標高のある山がないせいだろうか。

曇天の中、着陸態勢に入った飛行機の窓から見下ろすその姿は

まだらな田畑の格子模様が見渡す限りに広がって、

どこか淋しく赤茶けて見える。




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しかしその印象は瞬く間に、予想せぬ驚きへと覆されることとなった。

北部に向かう道を下るにつれ、天を切り裂くようにゆっくりと曇はほつれはじめ、

世渡崎からまっすぐに伸びた池間大橋を渡る頃には、

眩い夏至の太陽があざ笑うかのように照りつけていた。




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橋を渡る車の両脇を瑠璃色の海が飛ぶように過ぎてゆく。

誰もいない港の片端では、忘れられた陰がじっと息を潜めている。

巨大な砂丘の彼方にはひっそりとしたビーチが静かな波音を響かせ、

断崖の岬にそそり立つ灯台が、荒々しく天に拳を突き立てていた。




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それは初めて目にする圧倒的な宮古島の姿だった。

そしてその絶景は、三年前に歪んでしまったこの島の印象を、

呆れるほど短時間に記憶の底から剥ぎ取ってしまった。




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もはや帰路の中継地としての物憂い、赤茶けたイメージは心の中に浮かんでこない。

新たに記憶へ残ったのは、沖縄本島にも八重山の離島にも負けない、

荒々しく透き通ったいくつもの残像だ。




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その残像が水平線にうねり上がった積乱雲と重なって見えたとき、

今まで知らずにいたこの島の本当の魅力が、

焼けた肌を透かして、ゆっくりと染み込んで来るように感じた。




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by amboina | 2010-05-22 04:18 | 南方行脚