遊びの時間は終わらない
陽の沈んだ浜辺から人影が去り始める頃、
ゆっくりと熱を失っていく空に、蒼い世界がやってくる。
夕陽はもちろん息を飲むほど美しいが、
私はこの蒼い黄昏時がいつも待ち遠しい。
静かに流れていく雲海の端に、今夜最初の星が瞬く。
やがて全天を覆い尽くす壮大な天の川の、ほんの先触れだ。
転がるように夜の帳が下りていく、その僅かな隙間。
吸い込まれそうな蒼のグラデーションの中で、
波の音だけが小さく大気を満たしている。
遠くで名を呼ぶ母親の声を振り切って、
まだまだ遊び足りない子供達が
蒼い波打ち際を駆けていった。
by amboina
| 2010-04-28 03:52
| 八重山