Amboyna's Color

2011年 03月 09日 ( 1 )

潮騒の街

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海へと緩い傾斜が続く細い街路を歩いた。

緑に縁取られた鉛色の集落が往く手を幾重にも辻折れてゆく。




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早い夕陽に暮れなずむ、そんな箱庭のような小さな空間の先へ、

踏み込んでは迷い、ただ目的もなく歩き続ける時、

視線はファインダーを外れて、虚の彼方を彷徨いはじめる。




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国道からほんのわずかに道をそれた海辺の集落の

鬱蒼としたフクギ並木に埋もれるその細々とした道行きには人影もなく、

行き着く先をどうにも見定まらせない不思議な迷路感に溢れて、

迷子を楽しむ私の五感をゆっくりと麻痺させていった。




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うねる苔むしたブロック塀が赤瓦の家屋を囲う世界で、

砂岩舗装の街路の真ん中に走る排水路だけが

まるで何処かへ誘く道標のように果てしなく続いてゆく。




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高い夏空に逆らうような冷たい風が足下を薙ぎ去っていった。

フクギ並木のざわめきと、その冷たい風に誘われて歩みを東に進めると、

道果てに四角く切り取られた空と海がぽっかりと口をあけている。




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集落の尽きる海辺には高い護岸で守られた小さな浜が広がっていた。

背後に広がる集落と似通った人影のない静かな浜だ。

低い陽射しに照らされ砂浜を這うグンバイヒルガオを伝い、

微かな潮騒と濃い海の香りが立ち昇ってくる。




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彼方の水平線には伊平屋島と伊是名島の島影が微かに浮かび、

南の岬の影には伊江島の尖った稜線が早い夕陽に照らされ輝いている。




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宿へと戻る道すがら振り返ると、

さっきまで私の立っていた海辺を眺めながら

日暮れのおしゃべりをいつまでも楽しむおばぁ達のシルエットが、

遠い空を背景にぽつりと浮かび上がっていた。




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by amboina | 2011-03-09 17:31 | 南方行脚